株式投資のための企業分析
主に決算内容を元に「貸借対照表」「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」の分析結果をご紹介
今回の銘柄は「コンフィデンス(7374)」です。
コンフィデンスは2021年6月28日(月)に新規上場(IPO)
事業内容
ゲーム業界及びその周辺領域に特化しており、ゲーム開発、デザイン、運用・サポート、企画・運営等を行うことができるクリエイター人材を抱えることにより、ゲーム会社向けに人材サービスを提供。
■人材派遣事業
主に、ゲーム業界の会社をクライアントとして(2021年3月時点の取引実績累計182社)、クリエイターを派遣契約に基づき配属し(2021年3月時点で620名)、クライアントのニーズに合わせたサービス提供。
■人材紹介事業
転職・就職の希
望者を募集・登録し、同時に求人情報を収集して相互のニーズをマッチングする有料職業紹介事業。
■受託事業
クライアントのゲーム開発及び運営のうち、外部委託可能な業務を引き受けて代行。主にゲームのデバッグ工程を中心にサービス提供。
■メディア事業
子会社が女性向け情報サイト「Lovely」の運営・管理等
株価(チャート:日足)
6月28日上場したばかりなので、チャートが見づらいがご了承願いたい所。
IPO募集価格が1,720円なので、現在約2倍になっている計算となる。IPO当選した株主としては、良しとするか、もう少し上がって欲しいところか分かれる所だろう。高値4,000円を付けた後に株価下落してきているものの、まだ持ち堪えている方ではないだろうか。
チャートの流れとして、株価上昇してヨコヨコの動きの場合はもう一回は上がりそうな感じには見える。
IPO当選して株を保有している株主心理としてはもう少し持っておきたい所だろうか。そのため、もう一段上昇した後は急落注意しておいた方がとりあえずは良いだろう。仮に今の株価で急落したとしても、少なくとも3,000円付近で一旦は下げ止まり、逃げることはできると思うので、下落に対する恐怖がそこまで現状高くはない。少し注意しないといけないのは、3,000円を下抜けした場合は、下落トレンドが続く流れになりそうなので、短期トレードの場合は利確・損切りをした方が無難に思える。
株価指標
※株価3,610円で想定
PER:41.6倍
PBR:26.1倍
配当利回り:0%(無配)
ROE:62.6%
一人当たりの売上:4.9M円
現在のPERは42倍程度なのでそこまで高いという水準ではない。チャート分析の箇所でも記載したが、PERから見てももう一段株価が上がってもおかしくはない様に見える。その後の急落は要注意だが。
ROEが異常に高い数値になっており、純資産に対する純利益が高い事を示しているが、上場したばかりで売上や利益も上下に大きく変動する可能性も高いため、あくまで参考程度としておく方が良い。
一人当たりの売上が約5Mとかなり低い点が気になる。コンフィデンスの営業利益率は約17%と高めの利益率である中でのこの一人当たりの売上の低さは、案件を安く受注して、販管費(人件費)を低く抑え、会社が利益を確保していると考えられる。あくまで推測の話となるが、社員の給与面など、何処かにしわ寄せが行っている様な数値のアンバランスさが若干見受けられる。
決算内容
貸借対照表
(百万円) | 資産 | 負債 | |
固定資産 | 134 | 637 | 純資産 |
流動資産 | 1,418 | 113 | 固定負債 |
802 | 流動負債 | ||
自己資本比率 | 41.0% | 流動比率 | 177% |
自己資本比率は41.0%と高い自己資本比率、流動比率は177%であり、問題のない良い貸借と言える。新規上場の段階でこの貸借数値であればまず心配はいらない状況。
損益計算書
(百万円) | 19.3月期4Q | 20.3月期4Q | 21.3月期4Q |
売上高 | 2,004 | 2,604 | 3,569 |
営業利益 | 174 | 335 | 604 |
経常利益 | 131 | 331 | 603 |
純利益 | 59 | -282 | 399 |
営業利益率 | 8.7% | 12.9% | 16.9% |
経常利益率 | 6.5% | 12.7% | 16.9% |
純利益率 | 2.9% | -10.8% | 11.2% |
売上高が2,604M→3,569Mと1.37倍に増加しており、増加率としては十分と言える伸び率である。新規上場銘柄やまだ若い会社で中には売上の伸びが1.5倍や2.0倍以上など見かけることは多々あるが、1.4倍近くあるので現状心配はいらない伸びである。
営業利益も2倍とまでは行かないが335M→604Mに大幅に増加しており、合わせて営業利益率も12.9%→16.9%と伸びてきている。売上の伸びに合わせて利益率も伸びてきているのは文句のない損益。
20年の純利益が▲282Mと落ち込んでいるのは、株式会社Dolphinの買収により生じたのれんを減損損失として▲460M計上しているため。
キャッシュフロー計算書
(百万円) | 2020.3月期4Q | 2021.3月期4Q |
営業CF | 269 | 486 |
投資CF | -41 | -9 |
財務CF | -111 | -146 |
FCF | 228 | 477 |
営業CFが269M→486Mに伸びており、FCFも確保できているのでキャッシュフローとして問題は無いように見える。
問題はないのだが投資CFが20年、21年共に少し低い?気はする。人材派遣業がメインであることから、このような業態全体としてそうなのかもしれないが、投資へのお金が少ない点が事業拡大のための機会損失やこれからの成長鈍化に繋がらなければ良いが。
財務CFは特に変化なく、貸借自体も問題ないので気にする必要はないだろう。
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決算内容を踏まえYouTubeチャンネルにて、解説しているしているので是非ご覧ください。
投資は自己責任でお願いします。
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