株式投資のための企業分析
主に決算内容を元に「貸借対照表」「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」の分析結果をご紹介
今回の銘柄は「アクシージア(4936)」です。
事業内容
スキンケアメインの化粧品メーカーで、中国への売上が8割超。
化粧人口の拡大などにより中国の化粧品市場は今後も大幅な成長が続くと予測されており、メイドインジャパンを強みとして販売チャネル全体で中国需要を取り込むべく戦略を推進中。
トピックス
■上場記念株主優待に関するお知らせ(2021.06.10)
2021年7月末日の株主名簿に記載された1単元(100株)以上保有している株主を対象として、記念優待を贈呈。
<優待内容>
対象株主様お一人につき、一律当社製品「エイジーセオリー クラリファイングエッセンス 28mL(1mL x 28本)
■業績予想の修正に関するお知らせ(2021.06.10)
当期の連結業績予想数値の修正(2020年8月1日~2021年7月31日)
株価(チャート:日足_半年表示)
[2021.07.05] 株価1,552円
21年2月18日に上場してまだ間もない銘柄となるため、長期移動平均線が表示されていないが、中期移動平均線(オレンジ)を短期移動平均線(緑)が下抜けしそうに見える。下抜けすれば短期的にはデットクロスを形成することになる。
現状のチャートの流れ・ローソク足の形を見ると、陰線が下値更新する形でローソク足を形成しており、下髭も出ていないためやや強めの陰線となる。そのため、サポートラインとなりそうな1,400円までは下落する可能性がある。そこで1,400円を下抜けするのか、揉み合うのか、それとも反発するのか再判断する必要がある。
RCIは中期(オレンジ)・短期(緑)共に売られすぎの様に見え、逆張りで少し買いたくなるが、このような場合には反発サインが出るまで待つ方のが定石だろう。注意しなければならないのは、一度陽線が出て反発したから買いで入ろうとすると、下落トレンド中の反発は押し目売りが入ってきやすいため、ダブルボトムを形成するまで待つか、買いは少量に止めるべきである。
MACDは中期(オレンジ)を短期(緑)が上抜けするゴールデンクロスを形成するまでは買いは待った方がいいだろう。
株価指標
※株価1,552円、21年通期予想数値で想定
PER:47.1倍
PBR:5.8倍
配当利回り:0%(無配)
ROE:12.2%
一人当たりの売上:57.7M円
化学業種における全市場平均(日本)PERは22.4倍(参考値)であるため、アクシージアのPER47倍はやや高い気もする。参考にもならないがアクシージアの場合、PERだけで言えば750円ぐらいでPER22.8倍の想定となる。
一人当たりの売上は57M円で高いことが伺える。
決算内容
貸借対照表
(百万円) | 資産 | 負債 | |
固定資産 | 518 | 6,943 | 純資産 |
流動資産 | 7,258 | 90 | 固定負債 |
742 | 流動負債 | ||
自己資本比率 | 89.3% | 流動比率 | 978% |
この貸借はすごい!の一言!!お見事!
自己資本比率89.3%、流動比率978%となるが、自己資本比率が90%近くある会社は中々ない。さらに流動比率も978%のためほぼ無借金レベルであり、経営体質としては超健全と言えるだろう。完璧な貸借ではあるが、借金をほぼしていない点から見方によっては、事業拡大の面で他社に遅れをとる(資金不足・借金してでも伸ばすべきタイミングで突っ込めない)可能性もあるとも捉えられることもあるが、少なくとも借金が多すぎるよりはいいだろう。
数字だけの話で言えば文句のない貸借である。
損益計算書
(百万円) | 20.7月期 4Q |
21.9月期 3Q |
進捗率 | 21.7月期 通期予想 (上方修正値) |
売上高 | 4,290 | 4,057 | 72% | 5,600 |
営業 利益 |
1,075 | 990 | 73% | 1,350 |
経常 利益 |
1,030 | 984 | 73% | 1,350 |
純利益 | 717 | 621 | 73% | 850 |
営業 利益率 |
25.1% | 24.4% | 24.1% | |
経常 利益率 |
24.0% | 24.3% | 24.1% | |
純利益率 | 16.7% | 15.3% | 15.2% |
※2020年7月期第3四半期については四半期連結財務諸表を作成していないため、2020年7月期第3四半期の数値ではなく、4四半期数値を掲載。
21年通期予想に対しての進捗率で見ると売上72%、営業利益73%、経常利益73%、純利益73%となり、やや低めの進捗率に見えるが、予想値が上方修正した値で3Q決算での発表であることから、かなりの確率で通期予想は超えてくるだろう。また下期の方が売上比重が高いそうなので問題はないだろう。これで超えなかったら株価暴落は免れないだろう。
驚きなのは利益率である。営業利益率24.4%、純利益率15.3%は高い方である。上方修正発表し、利益率も高いことから株価も上がりそうなものだが、現在株価下落しているのは何故?
下落している大きな理由として考えられるのはやはり記念優待だろう。
今回、美容液を贈呈することになる訳だが、何万人?が対象となるのか。明確にはわからないが、発行済み株式数が約25.8百万株なので万人単位は間違いないだろう。その数万人に対し記念優待を贈呈することになるので数千万円はかかるのではないだろうか。その記念優待が大口・機関からはコストとして捉えられ売り込まれてしまったと考えられる。
その後は売りが売りを呼ぶ展開でずるずる下落といった形だろうか。
また、将来性という点ではYouTubeで詳しく話しているが、中国における日本化粧品のシェアは25%程度と社長が言われているが、調べてみると中国において日本の化粧品はあまりシェアを取っていない様に見える。今、中国では自国の化粧品ブランドがシェアを伸ばしており、日本のブランドでは資生堂やcanmakeが少しあるだけであった。そのような中でアクシージアが売上を伸ばしていくという点において、現状売上を伸ばす予想ではあるもののその先を見越した際に少し疑問が残る。
キャッシュフロー計算書
(百万円) | 2020.7月期4Q | 2021.7月期2Q |
営業CF | 161 | 527 |
投資CF | -90 | -26 |
財務CF | -105 | -13 |
FCF | 71 | 501 |
営業CFは161M→527Mに大幅に増加しており、本業による収入が増加していることが伺える。
4Q→2Q比較のため比較は難しいが、21年4Q決算発表時には上乗せしたCFが想定される。
投資CFは大きくは変化なし。
財務CFは▲105→▲13に減少しているが、金額規模の小さいため特に問題視はしていない。
ふぁむふぁむ株式投資YouTubeチャンネル
決算内容を踏まえYouTubeチャンネルにて、解説しているしているので是非ご覧ください。
投資は自己責任でお願いします。
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