株式投資のための企業分析
主に決算内容を元に「貸借対照表」「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」の分析結果をご紹介
今回の銘柄は「ステムセル研究所(7096)」です。
テンダは2021年6月25日(金)に新規上場(IPO)予定です。
IPOスケジュールと価格
想定価格:2,540円
抽選申込期間:6月9日(水)~6月15日(火)
当選発表日:6月16日(水)
上場日:6月25日(金)
事業内容
■細胞バンク事業
顧客(妊婦等)と「さい帯血分離保管委託契約」を締結した上で、国内さい帯血採取協力病院(大学病院、産科クリニック等)において採取されたさい帯血を回収し、自社の細胞処理センターに搬入、さい帯血に含まれる幹細胞を分離・抽出・調製する作業を行った後、自社の細胞保管センターにおいて、超低温下にて長期保管。「さい帯血分離保管委託契約」に基づき、顧客よりさい帯血にかかる分離料、検査料、登録料及び細胞保管料を収受し、将来の使用に備え、保管を行う。
さい帯血は、お母さんと赤ちゃんをつないでいるへその緒や胎盤の中に含まれている赤ちゃんの血液。
幹細胞は、さい帯血に多く含まれており、血液や神経・軟骨・心筋細胞等さまざまな細胞に分化する能力を持つ細胞。
株価指標
※株価2,540円で想定
PER:209倍
PBR:10倍
配当利回り:0%(無配)
ROE:5%
一人当たりの売上:18M円
株価2,540円で想定すると、PERは209倍とかなり高く時価総額に対して純利益が低く、株価が割高の状況である。ただIPOに関しては上場後すぐはPERに関係なく株価上昇する可能性は高い。その分、天井をつけた後の下落幅は大きくなるのでより注意が必要。
決算内容
貸借対照表
(百万円) | 資産 | 負債 | |
固定資産 | 808 | 1,322 | 純資産 |
流動資産 | 3,150 | 47 | 固定負債 |
2,588 | 流動負債 | ||
自己資本比率 | 33.4% | 流動比率 | 122% |
自己資本比率は33.4%と低めの自己資本比率ではあるものの問題とする程ではない。流動比率は122%で目安となる200%を下回っており、あまり余裕はない状況と言える。1年以内に返済しないといけないお金に対して1年以内に返せるお金にあまり余裕がないと言う状況。緊急性はないものの毎Qにしっかりと決算内容をチェックする必要がある。
損益計算書
(百万円) | 19.3月期4Q | 20.3月期4Q | 21.3月期3Q |
売上高 | 1,149 | 1,676 | 1,409 |
営業利益 | 215 | 382 | 86 |
経常利益 | 216 | 382 | 92 |
純利益 | 142 | 277 | 62 |
営業利益率 | 18.7% | 22.8% | 6.1% |
経常利益率 | 18.8% | 22.8% | 6.5% |
純利益率 | 12.4% | 16.5% | 4.4% |
売上高が19年から20年にかけては1,149M→1,676Mに増加しているが、20年から21年にかけて売上が1,676M→1,409Mに減少している。また利益面では全てにおいて大幅減しており、売上が減少している中で販売費及び一般管理費が増加したことが、利益をより押し下げている要因となる。
YouTube内で事業内容については今後注目を集める可能性がある旨は話しているが、売上としてはまだ伸びて来ていない状況。ただ医療系銘柄は売上が伸びて株価が上がるパターンももちろんあるが、トピック(医薬品の承認とか特許等)でドカンと株価が上がるイメージが強い。そういう意味ではステムセル研究所もトピック上げが狙えるか!?
キャッシュフロー計算書
(百万円) | 2020.3月期4Q | 2021.3月期4Q |
営業CF | 667 | 238 |
投資CF | -108 | -520 |
財務CF | 0 | 0 |
FCF | 559 | -282 |
営業CFが667M→238Mに減少しており、半分以下に減少。。。厳しい。。。営業利益自体が大幅に減少しているのでどうしようもないところ。
投資CFは有形固定資産の取得による支出が大きく増加していることから、設備投資等の投資にお金を投下しており、FCFがマイナスとなっていることから過剰投資ではあるものの、事業拡大のためには必要な投資と考えられる。
財務CFは20年、21年ともに0Mであり借入・返済のキャッシュの動きはない。
ふぁむふぁむ株式投資YouTubeチャンネル
決算内容を踏まえYouTubeチャンネルにて、解説しているしているので是非ご覧ください。
投資は自己責任でお願いします。
コメント