株式投資のための企業分析
主に決算内容を元に「貸借対照表」「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」の分析結果をご紹介
今回の銘柄は「オリエンタルランド(4661)」です。
事業内容
テーマパーク(東京ディズニーランド、東京ディズニーシー)及びホテルなどの経営・運営、商業施設含めたリゾートを展開
株価(チャート:日足_半年表示)
[2021.06.07] 株価16,945円
チャートを中期的に見ればもみ合い相場でのヨコヨコの動きに見れるが、短期的には逆三尊(トリプルボトム)の形を形成しており、株価が回復傾向にある。このまま上昇して行って欲しいところではあるが、18,600円前後で直近2回叩かれておりこの抵抗線を抜けるのは一苦労しそうな雰囲気である。しかし、このラインを超えることができればその上には抵抗線はないため逆に18,600円前後がサポートラインとなることが予想され、短期的には底堅く上昇することが予想される。
しかしながら、現在の株価16,945円は2019年10月の高値とほぼ同じ価格帯となるため、一度ここで軽く叩かれ下落することもあり得る。個人的は2〜3日上がらずとも下がらずに粘ってもらって、17,000円を抜けて18,600円までグッと株価上昇してもらいたいところ。
移動平均線は長期が緩やかな上昇ではあるものの、短期・中期はもみ合いで方向感は出ていない。
MACDは0ラインを超え上昇の形ではあるが、中期を短期が下抜けして短期的にはデットクロスを形成しそうにも見える。
RCIは短期・中期共に高値圏(買われすぎ)を示していることから、少しガス抜きをしなければさらに連続で上昇は厳しいか?
総合的には少し現在の株価から下落しそうな雰囲気がありますが、コロナの規制がこれから少しずつ緩和されていけば、必然と株価も上昇していくと期待している。しかし、当然であるが業績がかなり厳しい状況になるので業績回復はマストである。
株価指標
PER:ー倍(利益マイナスのため数値使えない)
PBR:8.1倍
配当利回り:0%(無配)
ROE:-7%
一人当たりの売上:21M円
配当が現在無配で配当予定は未定の状況。
利益がマイナスでPERは機能していないが、マイナス業績の中で現在の株価を維持しているのはコロナ後を見据えた買い支え・期待のためと予想される。
決算内容
貸借対照表
(百万円) | 資産 | 負債 | |
固定資産 | 766,331 | 759,948 | 純資産 |
流動資産 | 274,134 | 159,147 | 固定負債 |
121,370 | 流動負債 | ||
自己資本比率 | 73.0% | 流動比率 | 226% |
自己資本比率73.0%はかなり高い自己資本比率と言え、流動比率226%も問題のない割合を維持できている。コロナでこの1〜2年かなりの打撃を受けているにも関わらず、この貸借割合というのは優良企業と言える。
1年前の貸借を見てみると、自己資本比率81.2%、流動比率315%であり文句の付けようがない貸借である。そこから考えると数値が落ちてきていることが否めない。早く通常営業に戻って欲しい。
損益計算書
(百万円) | 20.3月期 4Q |
21.4月期 4Q |
進捗率 | 21.3月期 通期予想 |
売上高 | 464,450 | 170,581 | 92% | 185,460 |
営業 利益 |
96,862 | -45,989 | 89% | -51,400 |
経常 利益 |
98,062 | -49,205 | 91% | -53,890 |
純利益 | 62,217 | -54,190 | 106% | -51,110 |
営業 利益率 |
20.9% | -27.0% | -27.7% | |
経常 利益率 |
21.1% | -28.8% | -29.1% | |
純利益率 | 13.4% | -31.8% | -27.6% |
あの天下のオリエンタルランドがまさかの通期で赤字を出すなんて。。。夢の国が無くなったら日本終わるで!夢も希望もない国になってまうよ!
ご覧の様に売上が前年度と比べて半分以下、営業利益・経常利益・純利益全てで赤字の通期決算となった。
言う必要もないが赤字の原因として、新型コロナウイルス感染症流行の状況並びに政府、自治体からの要請等を踏まえ、当社グループの運営する東京ディズニーランド・東京ディズニーシーは2020年2月29日から6月30日まで臨時休園を実施いたしました。これに伴い、特別損失として臨時休園による損失12,965百万円を計上。
入園券種の限定やチケットの価格改定などにより、ゲスト1人当たり売上高は増加したものの、両パークを6月30日まで臨時休園したことや、営業再開後も入園者数を制限していることなどから、テーマパークの入園者数は減少。
赤字となったものの、ゲスト1人当たりの売上高が増加していることはコロナ後の見通しとしていい材料と見ている。チケット料金を改定(8,200円→最大8,700円[価格変動制])したことが直接の要因であるが、現在入園者数を現在5,000人まで制限しており、これから少しづつ緩和されていけば通常営業に戻った時は売上も必然とUPしているはずである。チケット料金UPによる来場者数減少は限定的ではないかと勝手に思っている。(根拠なし)
キャッシュフロー計算書
(百万円) | 2020.12月期4Q | 2021.12月期4Q |
営業CF | 73,336 | -23,834 |
投資CF | 20,534 | -160,738 |
財務CF | -55,257 | 88,724 |
FCF | 93,870 | -184,572 |
営業CFが大きくマイナスに転じており、数字上かなり悪化しているが、これはどうしようもない所であろう。コスト削減等の対策をもう少し情報開示して貰えばいいのだが。
投資CFは前年同期に比べ収入が減少しているが、要因としては定期預金の払戻による収入が減少したためであり、投資金額が一気に増加したと言う訳ではない。ただほぼ昨年度同額の有形固定資産取得による支出があるので、このような状況においても攻めているなぁと個人的には感じる所である。
財務CFはマイナスから大幅に収入が増加しているが、収入が増加した要因は、社債の発行による収入が増加したためである。収入と言っても、社債発行は結局負債であるため貸借上はあまり良くはないのだが、資金調達には必要なことだと考えよう。
ふぁむふぁむ株式投資YouTubeチャンネル
決算内容を踏まえYouTubeチャンネルにて、解説しているしているので是非ご覧ください。
投資は自己責任でお願いします。
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