株式投資のための企業分析
主に決算内容を元に「貸借対照表」「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」の分析結果をご紹介
今回の銘柄は「リクルート(6098)」です。
事業内容
3つの戦略ビジネスユニットで構成
■HR(Human Resources)テクノロジー事業
オンライン求人プラットフォームの運営や、人材ビジネスに関するソリューションの提供
「indeed」「glassdoor」運営
■メディア&ソリューション事業
住宅・美容・結婚・旅行・飲食などの多様な分野において、オンラインプラットフォームの運営などを通じた広告ビジネスと、SaaS (Software as a Service)ソリューションの提供などを通じた、業務負荷の削減および生産性向上を支援するサービスを提供。
「Suumo」「HOT PEPPER Beauty」「ゼクシィ」「じゃらん」「スタディサプリ」「リクナビ」等
■人材派遣事業
国内派遣領域および北米・欧州・豪州などの海外派遣領域で構成され、事務職派遣、製造業務・軽作業の派遣ならびに各種専門職の派遣などの総合的な人材派遣サービスを提供
「RGF Staffing B.V」「StaffmarkGroup」「CSI Companies」(会社)等
株価(チャート:日足_半年表示)
[2021.06.04] 株価5,610円
現在の株価は2/25の上値5,568円を一度抜けて押し戻された後に再度6/2に強めの陽線をつけており、以前高値水準を維持している状況。
2/25の上値を抜けた後に押し戻されているものの、やはり5,600円の上値抵抗線を抜けたのはチャートの形として上げ目線で強い様に見える。
移動平均線では中期移動平均線を一時的に下抜けしている所もあるが、長期移動平均線の上で緩やかに的に上昇トレンド継続している。
結果的には上昇トレンドとは言っているものの、短期が中期を下抜けしている5/11,12のところでは短期トレードの場合、株は売った方がいい形には見える。しかし、5/17の決算発表を受け5/18に大幅反発で一気に上昇トレンドに戻してきた。5/18にYouTubeでリクルート分析動画を配信しており、上昇トレンドに入ったので注目であるという話はしているので是非ご覧ください。
MACDはややデットクロスの形を形成しそうにも見えるが、現状0ライン上で上昇トレンド継続。
RCIは中期が高い割合(買われ過ぎ)に入ってきており、短期が中期を下抜けしいわゆるデットクロスを形成している。そのためもちろん下落注意は必要ではあるが、中期が上昇中の場合に短期が下抜けした際は押し目買いタイミングとして個人的には見ている。ただ難しいのは5,300〜5,400円ぐらいに落ちてきた時に、押し目買いと判断するかトレンド変換と判断するかは非常に難しい。この様な場合、損切りラインを決めてから押し目買いで入れば、仮にトレンド変換であった場合でも損失を抑えられる。
株価指標
PER:72倍
PBR:9倍
配当利回り:0%(未定)
ROE:12%
一人当たりの売上:46M円
PERが少し高くなってきた感じはしますね。このぐらいの高さまでなってくると上昇トレンドだと言っても買い増ししづらいですね。。。今から狙うのであればやはり押し目を狙いたいところ。
配当が今年度は現在未定となっており、20年は年間30円、21年は年間20円、そして今年は未定か。。2Q決算と一緒に配当を発表するかもしれませんがあまり期待はできないかなぁ。
決算内容
貸借対照表
(百万円) | 資産 | 負債 | |
固定資産 | 1,269,096 | 1,101,289 | 純資産 |
流動資産 | 927,517 | 492,152 | 固定負債 |
603,172 | 流動負債 | ||
自己資本比率 | 50.1% | 流動比率 | 154% |
自己資本比率50.1%は高いという程ではないものの、十分な自己資本比率と判断できます。しかし、流動比率は154%を決して安全な割合でないですね。1年以内に返さないといけないお金(流動負債)と1年以内に返せるお金(流動資産)の割合を示す数値ですが、200%以上が基本的は安全率が高いとされており、現状問題はないですがこれ以上下がらないか次回決算でのチェックが必要。
損益計算
(百万円) | 20.3月期 4Q |
21.3月期 4Q |
進捗率 | 21.3月期 通期予想 |
22.3月期 通期予想 |
売上高 | 2,399,465 | 2,269,346 | 102% | 2,224,621 | 2,600,000 |
営業 利益 |
206,011 | 162,823 | 108% | 151,229 | 245,000 |
税引前 利益 |
226,149 | 168,502 | 108% | 155,990 | 250,000 |
純利益 | 179,880 | 131,393 | 106% | 123,533 | 190,000 |
営業 利益率 |
8.6% | 7.2% | 6.8% | 9.4% | |
経常 利益率 |
9.4% | 7.4% | 7.0% | 9.6% | |
純利益率 | 7.5% | 5.8% | 5.6% | 7.3% |
20年と21年を比較すると売上は0.95倍と減少していることが分かる。利益面でも金額・利益率ともに減少しており、やはり世界的なコロナという所が影響している。しかし、4Qで米国や欧州での規制緩和が行われてきてHRテクノロジー事業では需要が回復傾向を示している。しかし、メディア&ソリューション事業の部分で、前年売上収益比較で結婚△42.4%、旅行△26.6%、飲食△64.0%となり大きなマイナスとなっている。人材派遣事業はコロナの関係で事業運営に制約が生じたものの、Eコマースに関連する物流業や、コロナ禍における医療分野での人材需要の高まりが継続したことで売上回復してきた。
株価が上がってきた要因としては、コロナ禍において業績は落ちたものの限定的に抑え、21年の通期予想をクリアできる見通しができたことで、株価としてはもみ合いで維持することができた点、そして、上抜けしてきたのはやはり22年の通期予想が売上・利益共に増加見通しであることだろう。売上の伸びはそこまでではないが、営業利益は1.5倍となりいい数値が発表されている。
キャッシュフロー計算書
(百万円) | 2020.12月期4Q | 2021.12月期4Q |
営業CF | 303,325 | 286,597 |
投資CF | -88,993 | -40,373 |
財務CF | -192,721 | -172,713 |
FCF | 214,332 | 246,224 |
営業CFは21年はやや減少しており、残念ではあるが仕方ない結果となった。
投資CFは投資を抑えた形となり20年に比べて半減している。成長するためには投資は必ず必要なものではあるが、現在の市場環境では投資抑制することもまた必要な判断と考える。翌年以降のタイミングを図って投資を再開・拡大していくことで投資効果も高まることが予想されるため。
財務CFは大きな変化はなく、20年・21年共に借入返済に多く当てており、売上が伸び悩んでいるコロナ禍においても借入することなく貸借改善を進めていることは評価できる。(ただ貸借はもう一歩頑張って欲しい所だが)
ふぁむふぁむ株式投資YouTubeチャンネル
決算内容を踏まえYouTubeチャンネルにて、解説しているしているので是非ご覧ください。
投資は自己責任でお願いします。
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