株式投資のための企業分析
主に決算内容を元に「貸借対照表」「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」の分析結果をご紹介
今回の銘柄は「テンダ(4198)」です。
テンダは2021年6月10日(木)に新規上場(IPO)予定です。
IPOスケジュールと価格
想定価格:3,250円
抽選申込期間:5月25日(火)~5月31日(月)
当選発表日:6月1日(火)
上場日:6月10日(木)
事業内容
Webシステムやそれに関わるWebサイト(ホームページや商業目的として利用されるWebページ等の総称)/アプリケーションの開発・保守・運用、及びビジネスプロダクト(製品)の提供、ゲームコンテンツの企画・開発及び運用保守。
ビジネスプロダクト事業ではマニュアル自動作成ソフトを提供
2,600社以上の累計導入実績を持つ、革新的なマニュアル&シミュレーションコンテンツ自動作成ソフト。
ゲームコンテンツ事業では「新選組 ~桜華妖乱~」「ろくでなしBLUES~激闘クロニクル~」等の開発実績があり、自社タイトルとしては「ヴァンパイア†ブラッド」「からくりサーカス ~Larmes d’un Clown~」を提供
株価指標
※株価3,250円で想定
PER:33倍
PBR:7倍
配当利回り:0%(無配)
ROE:22%
一人当たりの売上:15M円
新規上場銘柄は株価の変動が激しいためPERなど参考にはなりませんが、特徴としてROEが22%と高い水準ですね。ROE=自己資本利益率、つまり数字が大きいということは、自己資本に対して純利益が高いということになります。(業種等で目安は変わりますがとりあえず15%以上あればいい方)
一人当たりの売上額としてはもう少し伸ばして欲しい所ではあるが、これから上場する会社であり、これから伸ばしていけば問題ない。
決算内容
貸借対照表
(百万円) | 資産 | 負債 | |
固定資産 | 269 | 943 | 純資産 |
流動資産 | 1,563 | 308 | 固定負債 |
580 | 流動負債 | ||
自己資本比率 | 51.5% | 流動比率 | 269% |
自己資本比率は51.5%と高い自己資本比率であり、流動比率は269%で目安となる200%(流動資産が流動負債より2倍)を十分に超えているため安全性は高いと言える。問題のない良い貸借に見える。
損益計算書
(百万円) | 19.5月期4Q | 20.5月期4Q | 21.5月期3Q |
売上高 | 2,548 | 3,193 | 2,175 |
営業利益 | 165 | 292 | 251 |
経常利益 | 167 | 298 | 250 |
純利益 | 110 | 205 | 167 |
営業利益率 | 6.5% | 9.1% | 11.5% |
経常利益率 | 6.6% | 9.3% | 11.5% |
純利益率 | 4.3% | 6.4% | 7.7% |
売上高が2,548M→3,193Mと1.25倍に増加しており、増加率としては問題のない伸び率である。新規上場銘柄やまだ若い会社で中には売上の伸びが1.5倍や2.0倍以上など見かけることは多々あるが、1.2倍以上あれば伸びていると判断して良いだろう。
営業利益や純利益なども19年と20年を比較すると十分に伸びており、利益率で見ても営業利益率6.5%→9.1%、純利益率4.3%→7.7%であり利益額そして利益率どちらも増加していることから、20年の損益としてはいい決算だったのではないだろうか。
そして重要な今年度21年の3Q決算を確認すると、3Q終了時点で売上高2,175Mとなっている。。。あら!?残り3ヶ月で前年度(20年)の売上3,193Mを超えることはできるのか少し怪しい雰囲気が。利益面では前年同様かやや上回る感じに見えるが、売上高が少し届かない気がしますね。もちろん4Qにどかっと売上を上げてくる可能性も考えられますが。
5月期のため、恐らく通期決算発表が7月かと思いますが通期決算発表は注意が必要ですね。しかしながら、通期決算発表の中で21年が多少売上が落ちるなど業績が悪くとも、22年の来年度通期予想が良ければ株価としては上がる可能性もあり。
面白いと思うのがやはりゲーム事業を持っているということがポイント!業績がガンガン上がっていく感じでなくても、ゲーム1本当たれば株価がドーンと爆上げするなんてよくある事なので、長期目線で見れば一発がある面白さは感じる銘柄である。
キャッシュフロー計算書
(百万円) | 2019.5月期4Q | 2020.5月期4Q |
営業CF | 36 | 418 |
投資CF | 213 | -135 |
財務CF | -519 | 390 |
FCF | 249 | 283 |
営業CFが大幅な伸び(36M→418M)となっており、倍率だけでいえば10倍以上なのでかなりの伸びと言える。最も大事な営業CFがいい数値なのでこれだけパッと見でいいCFに見える。
投資CFはプラスからマイナス(213M→△135)になっているが、投資を行えばマイナスになるのが通常であり問題なく、金額規模から見てもFCFが十分確保されているので気にする必要はない。
財務CFは数値がプラスに変化(△519M→390M)しており額面も少し大きい様に見えるが、中身を見て見ると長期借入の400Mが大きく影響している。借入が増えることは望ましいことではないが、これから上場する会社であり資金調達して投資にお金を使うことも成長には必ず必要であることから、これぐらいは問題視はしなくて良いのではないだろうか。現状貸借もいいのでそこまで気にする必要はないだろう。
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決算内容を踏まえYouTubeチャンネルにて、解説しているしているので是非ご覧ください。
投資は自己責任でお願いします。
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